読書メモ
①『国家を考えてみよう』橋本治著、2016年。
以下メモ。矢印以降は自分のコメント。
・日本の封建制度はギブアンドテイクの「土地を所有しなくても保証する」というシステム
→社会契約的で、個人所有より保証を求めるマインドのニュアンスがあるようだ。
・「えらいから従え」の封建道徳は儒教由来
→王様や家長は偉いという論理
・日本では支配者より組織が強くなる
→支配者より組織のためにというマインド
・西洋の王様は土地本位でなく貿易、商売で力をつけて国家を我が物にした(絶対主義)。日本や中国は最初から国家=王様のもの
・国家主義は国家の不安から出るから変革と相性がいい
→新自由主義と相性がいいかも?
・ 民主主義は国民がいい選択をするという建前で国民がバカという想定をしない
・国家は国民のものという思考は歴史が浅すぎる。慣れるしかない。
②『日本史のツボ』2018年本郷和人著。
とても面白かった。歴史に疎い者としては大づかみな話がとっつき易く理解しやすかった。テーマごとに古代から近代まで通して書いていくというスタイルも読みやすかった。
中世の朝廷が奈良京都付近を中心としたある範囲内に影響力を行使していて、東の方や、熊本、宮崎以南は化外の地だったと。こういうことは何度も同じような話を違う文脈で見聞きしていくとピンとくるようにもなるから、大づかみで面白い話はありがたい。著者は東大の史料編纂所教授らしくそんなところがあったのかと知った。どれだけの物凄い量の知識があるのかと思わされる。