dmachiの日記

読書メモなどです。

読書メモ

『身体の文学史』を何度目かにおもしろくつい読んでしまう。読む毎に考えることがあるという本になっている。明治大正と進み身体の型が失われたということが指摘され、その性格が説明される。そして戦後から現代。対応として型の喪失を意識化する他ないという。この本は20年以上前の本で、現代ではまた変化があろう。日常生活の共通基盤が成り立たないところに型は立ち上がりそうもないことだ。何かしらの生活スタイルとして各人が模索するというありきたりの結論は出る。文武両道というこの本でいうとこの頭と身体の折り合いは重要だ。型が無いから若者が身体をもて余す。そのまま年をとる。欧米のスタイルも輸入される。言葉も身体もどちらも疎かにせぬ生活なり社会生活なりが成り立てばいいのだろうが、個人でそれが完結することではないところがまた難儀な話だ。