dmachiの日記

読書メモなどです。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『無名の人生』感想

2014年渡辺京二著。著者の名は『逝きし世の面影』の評判で知っていたが本を読むのは初めてだった。挙げた本も読みたいが。大連での日々が重くある人生という。80歳の人の経験と教養に溢れた文。暗くじめじめしたところがなく、割合さっぱりと人が生きる道に…

『日本の崩壊』感想

2018年御厨貴、本村凌二著。日本の近代の政治の歴史が主に語られる。 印象に残ったのは、1930年代にとにかく多国間の協調の世界のシステムができあがっているところに、元老がいなくなった日本の政治部門は世界の現状認識が至っていなかったという指摘。元老…

『日本史のなぞ』感想

2016年大澤真幸著。面白い。副題が、なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか。その一度だけの革命を行った人、その行い、その歴史。その着想が面白くわくわくさせられるし、その中身を論じる中で歴史の勉強もできる。考えてみれば、朝廷のある西と、朝廷の…

『日本人の心』感想

1984年相良亨著。題がそのものずばり。古代、中世、近世、近現代の日本の文献を元に、そこに表れているこころを論ずる。章立てが、交わりの心、対峙する精神、純粋性の追求、道理の風化、持続の価値、あきらめと覚悟、死と生、おのずから。 読んでから時間が…

『どんなことが起こってもこれだけは本当だ、ということ』感想

2018年加藤典洋著。人を動かす思想は二段構えだという。一階が、普遍的な地べたのもの。二階が論理的なもの。 幕末の尊王攘夷から尊王開国に変わっていった薩摩や長州を例に上げる。また、敗戦後の日本の護憲と、もう戦争は嫌だという思想を例に上げる。正義…