dmachiの日記

読書メモなどです。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『神は詳細に宿る』感想

2019年養老孟司著。雑誌に寄稿した文章をまとめたもの。一番最初の「煮詰まった時代をひらく」という文章が、今の時代をまとめて語っていて面白い。他のはいつもの養老節の調子を現在の雰囲気で語る。その中で印象に残った言葉を挙げると、「人生の意味は自…

『日本思想史の名著30』感想

2018年苅部直著。タイトル通り30冊紹介してある。「古事記」から、中世、近世、近現代のものまで。思想といえば、近代の印象が強かったが、江戸の思想が面白そうだった。伊藤仁斎や荻生徂徠や山片蟠桃や。江戸の人も様々なことを考えていたことを知ると、そ…

『荘子』感想

老荘思想の荘子。まあ面白い。荘子は紀元前300年くらいの人。その荘子が昔の人は偉かったという。『教養としての世界史の読み方』に二分心という概念が出ていたのを思い出した。古代の人は、神の声を実際に聴いていて、その心は、現代の人間の意識とはまるで…

『希望のビジネス戦略』感想

2002年の金子勝と成毛眞の対談。私は経済もビジネスについても全くの無知なので、話の内容の理解ができないところもあったけど、何となく実際の経営者と経済学者が語る話からどういうものかを類推しつつ読んだ。印象として、金子勝氏は経済やビジネスが語ら…

『不干斎ハビアン』感想

2009年釈徹宗著。1600年前後の信仰に生きた男の話。元は禅僧で、棄教しキリシタンになり、仏教儒教神道を批判してキリスト教を護教した『妙貞問答』を書き、その二十年後にキリスト教を棄教し『破提宇子』で批判を行ったハビアンという人の話。 彼についての…

『いきなりはじめる仏教入門』感想

内田樹、釈徹宗著のネット上でかわされた文章をまとめたもの。だけどちょこちょこ入る釈氏の宗教や仏教の初歩的な解説がありわかりやすい。「宗教とは、聖なる領域をもち、人間の行為や思考に意味を与え、行動様式を形成する体系」と理解されると釈氏の言葉…

『夢酔独言』感想

勝子吉の語る自伝。不良具合が面白い。侍だが、幕府にお勤めをする職にはありつかず、商売をやったり、もめ事をまとめたり。1840年頃のものと思うが、江戸の後期、維新の前、この本を読むと改めて、士農工商の身分制度の堅牢さを知る。農民の前で芝居を打っ…

感想『教養としての世界史の読み方』

2017年本村凌二著。著者は古代ローマ史が専門の歴史家。歴史を知っている人の深みを感じた。歴史の見方に厚みがある。錯綜する視点が著者の論点によって巻き上げられている。だからこの本から学べることは多いけど簡単に学べなあとも思った。色々初めて知る…

『日本人はなぜ無宗教なのか』感想

1996年、阿満利麿著。著者は、キリスト教や仏教など特定の人物が特定の教義をとなえそれを信じる人がいる宗教を創唱宗教、自然発生的にひとりでに続いてきたものを自然宗教とわけている。 日本では自然宗教がありながら、日本人はそれを自覚していない、それ…