dmachiの日記

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『荘子』感想

 老荘思想荘子。まあ面白い。荘子は紀元前300年くらいの人。その荘子が昔の人は偉かったという。『教養としての世界史の読み方』に二分心という概念が出ていたのを思い出した。古代の人は、神の声を実際に聴いていて、その心は、現代の人間の意識とはまるで違っていたという。だから、荘子が昔の人は何も考えないで偉かったというのも、儒教などの人の秩序のための教えが必要とされる前の、大昔の時代の、まるで生き方が違った人間のことを言っているのだろうかと推測した。現代にも神話も数の概念も持たない狩猟採集民族がいるらしいし、高度な文明社会では人の考え方も変わるのは間違いなく、そのことで忘れられるものもある。しかしまた、荘子の時代は戦国時代で世が治まっていた時代を回顧したのだろうかとも思った。けどもまあ、荘子の話は、哲学的なものがあり、胡蝶の夢は有名で、よく昔の人は人間のことを考えた。考え方は変わっても、人間自体は今も昔も変わらないから、通じるところもあるだろうと、色々荘子の話から想像を刺激されるのは面白い。