dmachiの日記

読書メモなどです。

映画メモ

・「運び屋」2018イーストウッド。面白い。本筋とは関係なく気になったのは、主人公が、契約を裏切り、裏切った相手に対して、契約違反だから好きにしろ恨みもないと話す場面のこと。契約履行か不履行か。私的な諸事情などは関係ない。契約関係を交わした相手との領域と、妻との関係との領域が、きっぱりとクリアに分離している。そりゃ当たり前とも思えるが、主人公個人の中でそのことが当然のルールのように内面化されている。その在りかたについて何か言葉にできないものがあった。個人主義とだけでは足りなく思った。
・「プロミストランド」2012ガス・バン・サント。この監督の作品は、昔の作品は見たはずだが覚えてなくて、何かこの監督ならではの作風を画面に出していくスタイルなのだと思って、だから作品を通して見ていくと味わいも変わるかなと思った。わざわざこう書くのも、筋の運ばれ方の中で、主人公の言動の移り変わりがあまり強調して描かれていないから。内面的な葛藤や、葛藤を解決する説得的な場面などがわざわざ強調されない。だから少し拍子抜けして、しかし極端な言い方をすればシュール(とまでも言えないが)な描かれ方を必要とするものが社会にあるからそうなったんだろうと思った。
・「悪い奴ほどよく眠る」1960黒澤明。悪い奴ほどよく眠る。