dmachiの日記

読書メモなどです。

読書メモ

①『痴人の愛』、1924年から25年にかけて発表されたらしい。私小説風の形で倒錯的な男女の関わりが書かれているが、その倒錯の加速に対し、講釈なり解釈なりの文はあからさまには無く、一読者としては主人公の振舞いになぜそうなっちゃうのかとつっこまずにはいられなかった。とはいえ丁寧な女への身体や言動の観察が面白かった。主人公の男の臆面もなく色々告白する様もいい。文庫の解説には、、みごとに「社会化されたマゾヒズム」を描くことに成功しているのである、、とある。そうであればそうだ。西洋と日本社会のことや性のことを考えたり、男の行動は女が決めていると言ってみれば根源的なことだなど思う。しかるに批評家の言葉とセットで楽しめるのかなと思った。

②『俺たちはどう生きるか』2019大竹まこと。沁みる言葉があった。ちゃんと大人が何かに向き合っているということを考えさせられた。