dmachiの日記

読書メモなどです。

『臨床とことば』メモ

河合隼雄鷲田清一による対談と短い論考が載っている。対談は凄かったというしかなく、なんといえばいいか、両者の話は人間理解への視座が繊細で豊かだ。そして、両者は臨床というところで、具体的な経験の中で培ったものから語る。実践を生きること自体の中に在る、物や人との関係性を生きるところは、言語化しにくく、しかし、そこのところを突き詰めた専門家による言葉は重い。というか明らかに高度な、自分が知らない身に付けてもいないものが、両者の話には含まれていて、そりゃ一流の専門家たち、鷲田清一が怪物とも評す河合隼雄というようなものだから、当たり前なのだが、でも畏怖というくらいのものも感じるし、それでいてわくわくと面白い話でもあった。