dmachiの日記

読書メモなどです。

読書メモ

『世界史上』文庫、マクニール2008年。
初版は1967年というからそれなりに古い。とりあえず上巻だけ読んだ。1500年まで。
文明の起こりから真面目に世界各地の歴史が語られてなんとなく全体的に目を通すことができてためになる。
日本についての語りが歴史に無知な私にとっても粗いなと感じるので、他の国や地域もそうだろうなあと思う。ただし、アバウトでも総合的に歴史を知りたいという目的にはかなうので、とりたてて気になるものではなく、膨大な知識が背景にあるのだろうという敬意しかない。緻密な記述の歴史になると長くて読むのに苦労するし。
少し気になったのは、著者の歴史の変遷の解釈には、やや心理的な整理の傾向が強い。まあそれもそういう語り口なのだと受け入れられる。あと国の興亡を主としている。
本書を読んでヨーロッパの発達は新しいことなんだなと思った。中東の古代文明やインドや中国、ギリシャやローマ、イスラムなどの主たる文明の後なんだと。なおかつ10万年の人の歴史がある。その前には数百万年?の歴史があり、生命となると数十億年となる。
また、広い大陸では色んな文化を持つ集団がとにかく様々な形で出くわすのだなと思った。そして争う。だからこそデフォルトの設定が辺境とは違ってきたのかなと思った。思想が強く押し出されてくるというのか。
また、鉄器を使う文化や作られる技術に典型的に見られる、要は技術的な発達は、豊かさへの変化を生むし社会の秩序の在り方を変えてしまうのだろうなと当然ながらも感じた。